【美術展】至上の印象波展 ビュールレ・コレクション@国立新美術館

5月7日(月)までが会期で、すでに終了してしまいましたが
六本木(乃木坂)の「ビュールレ・コレクション」は
印象派の作品がぎっしり詰まっており
時代を感じるにはとても良い企画展でした。

www.buehrle2018.jp


悪天候の日の夜間開放を利用したので、
人もまばら。じっくりと観ることができました。

有名画家の作品が一堂に会する 奇跡の空間


ドラクロワドガ、マネ、ルノワールゴッホ
ゴーギャン、モネ、セザンヌマティスピカソ

著名な画家たちの絵がずらりと並びますが
実業家・ビュールレが一人で集めたもの。

これをきくと流石に
金が欲しい、美術作品を集めるために(倒置法)と思います。

さらに、コレクションが飾られているスイスから
国外に出たことのないものばかりなんだとか。
色々なタイミングが被ったにせよ、
本展を企画された方の交渉力に感謝せずにはいられません。

(※ビュールレコレクションには
 盗難問題などもついてまわっていますし。)

広い空間、計算された導線、そして大作。


新国立美術館の設計の利なのですが、
作品と作品の間の空間が広くてとても見やすい!

肖像画や都市といった、
印象派の時代を感じさせる作品からはじまり、
時代を追いながら展示は続いていきます。

ドガルノワールセザンヌゴッホなどの
有名な画家の作品は場所をとって丁寧に見せてゆきます。

ルックスが好みのイレーヌ嬢


やっぱり印象に残ったのは
ルノワール『イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢(可愛いイレーヌ)』でした。

展示の中盤に、おおきく壁を使って飾られており、
キャプションも2か所につけるという心配りまで。

あどけない美少女の美少女らしさが
キャンパスにこれでもか!というように描かれていました。

ふわっふわの髪の毛、陶器のような真っ白な肌、
つややかな頬。紅が光る口元。
ああ、生まれ変わるならこんな美少女になりたい。

美人は3日で飽きるといいますが、断言します。
飽きません。

拡がる「睡蓮」の世界に包まれる


クロード・モネの『睡蓮の池、緑の反映』は、
展示室の最後のほうにどーんと飾られて、しかも撮影OK
高さ2メートル×幅4メートルの大作なので
場所を広く取っての展示でしたが、
そんなことすら感じさせない圧倒的な存在感。

人混みの中でこれを見るのはつらいなーと思っていたのですが、
人影もまばらでじっくりと向き合うことができました。

向き合いすぎて、写真を撮りそびれて後悔しています。

ゴッホの見た世界


今回の企画展では「ゴッホ」もコーナーを設けて展示されており、
パステルブルーやグリーンを基調とした作品に思わず目が留まりました。

印象的だったのが『二人の農夫』でしたが、
画像を見つけられなかったので、『自画像』を。

ゴッホ 自画像

ゴッホって、夜を舞台にした作品は置いておいて
どちらかというとオレンジや赤や黄色、暖色系のビタミンカラーが
使われている印象が(私の中では)強かったからです。

ひんやりとした色合いの絵画が続いて並んでいるのに
存在感だけはくっきりとしていて、目が離せなくなりました。

最晩年の作品も並んでいたようで、
彼が常に抱えていた悩みだとか、重さだとか、
こんなふうに世界を見ていたのかなというものを
少し覗いてしまった、という印象です。


ゴッホといえば、
さよならソルシエ』というマンガは傑作なので
興味のある方はぜひお手に取ってみてくださいませ。
ゴッホと弟テオの人生について書かれた、2巻限りのコンパクトな作品。

さよならソルシエ 1 (フラワーコミックスアルファ)

さよならソルシエ 1 (フラワーコミックスアルファ)

※友人情報によると、このマンガは舞台になったり朗読会?もあったらしく
めちゃめちゃメディアミックス展開されていたようです。

ドガが命を燃やした踊り子のブロンズ像

森美術館の立ち上げなどにも関わり、
小説家として活躍されている原田マハさん。

『ジヴェルニーの食卓』という作品は、
印象派の画家をモチーフにいくつかの短編が詰め込まれています。

この作品の中に、
ドガの凄まじい執着によって完成された(とされる)
踊り子のブロンズ像のエピソードがあるのですが、
おそらくそれ、と思われる作品も展示されていました。

この作品集には
モネ、マティスセザンヌのエピソードも入っています。
日本人って印象派が好きだと思うのですが、
ひとつのムーブメントが確立し、評価されるまでには
苦労はついて回るもの。
とりわけ、モネのエピソードなんかは
時代の雰囲気が良く分かるものになっていると思います。
印象派展を見に行く際に読むと、
ますます深く楽しめます。

グッズが可愛い!

どこの企画展を見ていても思うのですが、
思わず欲しくなるグッズが増えました。
ここ数年、俗にいう「オタク」が「オタク」であることに
ひけめを感じることが少なくなっているせいなのか。

明らかにグッズのクオリティが上がっています。

今回は、ゴンチャロフとのコラボの
チョコレート缶が可愛かった!
私の大好きな(笑)イレーヌ嬢のものですね。

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※写真は公式サイトよりいただきました。

ペンケースにもなるので迷いましたが、
薄給の身なので泣く泣く諦めました……。悔しい。

まとめ

印象派画家の作品がぎゅーっと濃縮された贅沢な空間でした。

この機会を逃したかたは、もうスイスに行くしかない……!
でもそれだけの価値がある企画展でした、楽しかったです。

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