【マンガ】リバーズ・エッジ(オリジナル復刻版)
この先に何があるのかわからない。
どれほどあがいても、未来は見えなくて、
精一杯背伸びをして
家や学校という枠から外れるためにふわふわと毎日を暮らす、
それが昭和の終わりに生まれた私の10代だったと思います。
インターネットでいつでも世界中につながるすべを手に入れた
今の10代がどんなものかは分かりませんが、
私が10代だったころは、
自転車で60分間ペダルを回し続けてたどり着ける場所が
自分の世界のほぼすべてでした。
住んでいるエリアの文化に染まることが出来なければ
それはそのまま疎外感や孤独に通じており、
自分の体がどこか遠くにつながっているのを感じるために
深夜に布団をかぶってラジオを聴いていました。
こうやって書いてて思うのは、
今の10代が簡単に手に入れている情報の多さがうらやましいということ。
私は10代をもっさりと過ごしてしまったけれど、
その分を何倍も早く動いている人たちがいるのだと。
なぜこのように昔を思い出してひとりごちているのか?と言いますと、
岡崎京子さんの「リバース・エッジ(オリジナル復刻版)」を読んだからでした。
- 作者: 岡崎京子
- 出版社/メーカー: 宝島社
- 発売日: 2015/06/10
- メディア: 単行本
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1990年代初期に作られた名作中の名作、なのですが
今読むと、とても「時代」を感じます。
ひと世代前の空気感。
バブルがはじけて
うっすらともやがかかっているような当時の空気がまとわりつきます。
摂食障害、ひきこもり、LGBTへの差別、セックス、ドラッグ、自死、暴力。
きっと今の時代でも転がっている話だけれど、
自分が置かれた環境から外に出る道が
昔よりももっと開けている若者たちにとっては
この物語は響くのかな?と思いながら読みました。
(一方で、セルフブランディングができないフツウの子たちが
なにも変わらない自分を目の当たりにする
そんな残酷な時代にもなっているのかなあ)
澱んで鬱屈していた90年代
今年に入って、小室哲哉さんの話題が出て
久しぶりにglobeを聞いたんですよね。
keikoのハイトーンボイス、今聴くと思っていた以上に苦しげでエモーショナルで、
globeって意外とヴィジュアル系が持っていた窮屈さや鬱屈した気持ちを描いていて、
それどころかこのどこにも行けないような息苦しさが
90年代を表すのかな、と思ったりも、しました。
globe / Can't Stop Fallin' in Love
生まれてくる時代を選ぶことはできないと分かっているものの
もし願いが叶うのであれば、00年代に産まれたかったです。
そしたらぼやっとしていた10代と、
20代の前半にもっと積極的に外とのつながりを作っていったかも。
私が10代だったころは、
リスカや自殺で自分を追い込む子が多かったのだけれど
今の時代はどうなんだろうなあ。
趣味や好きなものがあれば、遠くにいる人とも簡単につながることはできるし、
けれどもLINEやTwitter、Instagramという枠の中で生きるのも苦しそうだ。