【展覧会】書棚に囲まれるダークファンタジーの世界へ!東洋文庫ミュージアム@駒込

本好きなら思わず涎の出てしまいそうなステキな書棚が
JR山手線・駒込駅を下車して数分のところにあります。


こじんまりとした美術館・東洋文庫ミュージアムです。

ため息が出るモリソン文庫


カウンターでチケットを購入して階段を上ると
そこは夢見た書斎だった。

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思わずため息のひとつやふたつ出てしまいます。

す、素敵な空間。
ちょうど書棚の全景を見渡せる中心部にソファ(座り心地も良い)があって
まるで自分の家のようにくつろぐことができます。

ダークファンタジー映画に出てきそうなほどよい薄暗さ。

「この書斎?全て俺のもんだ」(イケボ)

って言いたい―!!!!!!!

東洋文庫」という名のとおり、
東洋学の資料の収集・研究がおこなわれている場所です。
三菱第三代当主の岩崎久彌(いわさきひさや)が1924年
日本最古の東洋学研究図書館をつくったのが元になっています。

で、このおびただしい数の本は
ひさやん(岩崎久彌氏のことです)が
モリソン博士というオーストラリア人ジャーナリストより
東アジアに関する欧文の書籍・絵画・冊子等
約2万4千点
をまとめて買い付けたものだとか。

書籍に触れることはできませんが、
一部書籍の中身が展示されており、じっくりと眺めることが出来ます。




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2011年に建て替えられたばかりの建築物なので
館内はとてもキレイでオシャレです。
車いすの方も、エレベーターを利用することができるようです。

常設展と企画展を行き来するところの廊下もオシャンティ―です。
ぜひ足を運んで実感していただきたいです◎


ひっそりとたたずむ国宝


モリソン文庫にスパークしたのちに先に進むと、
「岩崎文庫」という蔵書の展示コーナーがあります。

ここにもしれっと国宝や重要文化財が置かれています

1か月ごとに展示の内容が変わるそうですが、
私が訪れたときには司馬遷の『史記』の「夏本紀」が飾られてました。

ちょうど2クールで再アニメ化されてて賛否両論ある
フジリュー版『封神演義』。
作画はよさそうなんですけどねえ
この作品の舞台は殷~周時代ですが
その前の「夏」の時代、禹王~桀王までのことが綴られてるそうです。
書物のシミに時代を感じます。

あとは、「解体新書」の原本……、たぶん、原本もおいてる。
しれっと置かれてるのでそのまま普通に眺めてしまうけれど、
あの「解体新書」です。

あと、坂本龍馬率いる「海援隊」が
英語の勉強をするときに使ってた教本とか。
ペリー来日のときの記録書とか。



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自称ロマンチストなので、
百年の時を超えて現在にも残ってるもの、
ただそれが目の前にあるだけでテンションが上がります。
惜しむらくは、「書」なのに触れないくらいです。

年間数回の企画展示も行われており、
「書」を通して文化の在り方について考えることができます。

小岩井ブランドを嗜むオリエント・カフェ


美術館に併設されているオリエント・カフェ
お洒落で落ち着いた空間です。
隠れ家っぽさのある、洋食メニューは会食にもぴったり。

ミュージアムからカフェに向かう道にも
様々な名言がつづられています。粋ですねえ。





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カフェタイムには、岩手県の小岩井農場
チーズケーキやクッキーなどを食べることができます。

私は、カフェ「オリエントセット」を頂きました。
チーズケーキ、めっちゃ濃厚で美味しい。



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ランチタイムも、
上品なコース料理をいただくことができそう。

(小岩井農場のイートインがあるのは、
岩崎久彌氏が社長退任後に農牧事業を行った縁ですね。
上野の旧岩崎邸庭園でも、
小岩井の美味しいクッキーやらアイスやらをいただくことができます。

ということで、三菱系列の美術館との半券提示企画も作られています。)

書の観賞のあとは、六義園へ。


東洋文庫ミュージアムの入館料は900円なのですが、
ちょうど真向いにある六義園の入場チケットも
合わせて1000円で購入することができます。

丸一日時間があるならば、
お得なコラボチケットを買ってのんびりするのがおすすめです。

ちょうど、しだれ桜が開花したようですし、
3月21日からは桜の季節でもありますし。
ナイトビューも企画されているようです!

しっぽり落ち着く穴場ミュージアム


「ここはデートスポットですか?」
「はい、デートスポットです!」

って、言い切っていいくらい
雰囲気の良いおしゃれなミュージアムなんです。東洋文庫
モリソン文庫なんてフォトジェニックすぎて大変。

だけれど、「書」を扱う場所、かつ「東洋」という
ちょっと敷居が高いようなものを扱っており、
どこかニッチ感が漂うせいか、週末でも人影は多くはありません。
個人的には、「じっくりまったりと閲覧でき」て
とても嬉しい場所なんですが。

週末にゆっくり文化にひたりたいときにおすすめのミュージアムです。
駒込、パン屋さんも多いのでテイクアウトして
六義園でランチ(※シートとアルコールは持ち込みNGです)しても楽しい。


最後に、好きな図書館と言えば、
秋田の国際教養大学の図書館
ハリー・ポッターの世界に出てきそうなオシャレなところでした。

秋田杉の香りに包まれた
傘型の屋根が美しいんです。

web.aiu.ac.jp

24時間365日開いてるんですって。天国か。
前にも書いたけど、ほんと、本に囲まれて死にたい。

w-mani.hatenablog.com


【余談】
たまにお金もちになりたいなーと思うことが(いまだに)あるのですが、
私の場合はこういう文献やら美術品を集めて
文化を保存するという「道楽したさ」に
お金を稼ぎたいなーと思っています(笑)
いいなあ、ひさやん。
10年以上ずーっと「将来は私設美術館作りたい」って言ってます。
いつか叶うんでしょうか……(笑)

歴史の通過点として、それまで培われてきた文化を保存して
100年とか200年後の人類(が存在すれば)に伝えたい。
デジタル時代になり、そういう文化の残し方も変わりそうですけれど。


関連リンク

公益財団法人 東洋文庫


teien.tokyo-park.or.jp


www.koiwai.co.jp